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子供が出来てから初めての本格的な旅行に行ってきた

 お伊勢参りに一度も行ったことがなかったので一度はしておこうと。子供が出来てから初めての本格的な家族旅行を兼ね、伊勢志摩方面に行ってきた。

 未明に家を出発し、高速道路をひた走り、伊勢方面に着く。

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 こんな車が普通に、駐車場に停められているのを見て「一生に一度はお伊勢参りと吉原」の言葉があったくらい、江戸時代から大勢の人が往来する一大観光地にやってきたのを実感。

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 伊勢神宮に到着。ここで、事前に連絡していた奥さんの友人。今は伊勢近郊に住んでいる友人夫婦と子供達と合流。皆で内宮へ行く。

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 お伊勢参りを思いついた際に特別参拝。前もって地元の神社を通じて申し込みをしておけば、一般参拝者は立ち入れない内宮のさらに奥まで入る特別参拝が可能である。とのことを知っていたので申し込みをしたものの。細かい情報や心得を聞くと当事者だけでなく、子供も含めた同行者すべて、きちんとした正装をするのが当然の礼儀でしょうといわれ、特別参拝は断念したのだけど。
 残念だったが結果的にそれでよかった。自分達の子供に加え、奥さんの友人の子供達も含め未就学児を何人も連れて、何かかしこまったことをするなんて到底無理。

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 小さな子供達の面倒をみながら、写真に収めたい場所を見つけてカメラを構えて、カメラのマニュアルモードで露出やシャッター速度等を細かく調整して、なんて芸当も到底無理。上の写真を撮っている間にも、奥さんの友人の子供が水の中に入ろうとして、悠長に気の利いた構図を考える時間なんてあるはずが無い。

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 古くはフィルムカメラの時代において。カメラというよりもレンズ付きフィルムというべき、撮りっきりコニカや写ルンです等の製品が一世を風靡し。今では殆どの携帯電話に付属しているカメラ機能が、それらの担っていた位置に収まり。観光地やイベントに行くと当たり前のように携帯をかざしている家族やグループを見るようになった。むしろいない方が不自然に感じる。それが当たり前の光景になって久しいが。
 家族やグループでの旅行においては。写真としての出来や見てくれなんかよりも、その時その場所で即座に思い出の記念写真を撮ることのほうがはるかに重要で。
 そう考えると、どんなにカメラの性能が進化して、高機能なものになったとしても。手軽さと気軽さに優るカメラ付き携帯が、もしくはそれに相当するものが無くなることはないと強く思った。

 というわけで、今回の旅行は皆が集まっての、または子供を収めた写真が中心になりました。

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 上の写真は宿泊したホテルと、ホテルの中のバーで。ちゃんと子供同伴と写真撮影の許可をもらっています。

小松未可子の『e′tuis』は、本当に音割れが酷いのか

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 先日ツイッターでつぶやいたように。

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 キングレコードから発売された、小松未可子のアルバム『e′tuis』の音の状態、音割れが酷いと発売当初話題になっていたらしく、本当にそうなのか自分でも確かめてみようと。
 それ以上に。ツイッターで知った、同アルバム製作に携わっている人物やスタジオの名前が興味深いものだったので、実際に聴いてみようと購入。

 最初に手持ちの、異なる性質のヘッドホンそれぞれで一聴したところ。ソニーのMDR-CD900STでは違和感を感じるところはなかったが、同じソニーのMDR-XB700にヘッドホン用アンプをつなげて最大音量で聴いていると、歌声の張っている部分等ところどころで微細な違和感。あくまでも注意して聴けば「そうかもしれない」と感じる程度の箇所がある。

 とはいえ、個人の印象からくるぼんやりとした感想をぐだぐだ並べ立てていても仕様がないので、実際の音情報を確認してみようと。編集ソフトを取り出し、アルバムの音源を取り込み可視化された音情報を見てみた。

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 上にあげた波形がアルバム収録曲「Sky Message」の可視化された音情報。一見すると音割れを起こしやすそうな形状ではあるが、この状態ではまだ判断できないので二段階にわけ拡大して見てみる。

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 一番上がイントロからアウトロまで楽曲全体を可視化したもので、その中の赤色に色分けした箇所「ひょっとして、この部分が音割れしているのかもしれない」と感じた箇所を拡大して下に表示する形で見てみる。
 拡大してみると部分によってはCD-DA、コンパクト・ディスク・デジタル・オーディオのフォーマット許容範囲に近いところまできている(この波形の頂点が、フォーマット許容範囲の限界地点にべったり張り付いたまま飽和している状態、クリッピングといわれる状態になると音割れを起こす原因となる)が、破綻はしていない。
 思慮深いリスナーによっては「波形の頂点が少しでも触れた時点で音割れなのだ」と感じるかもしれないが、おそらく大半のリスナーにとっては許容の範囲内。クリッピング寸前の状態でとどまり続けているので。
 こういった傾向の音を好まないリスナーもいるかもしれないが。だからといってミキシング、マスタリング作業にあたって注意を払われていない、エンジニアの怠慢がありありと見て取れる手抜き音源というわけではない。整音作業が施されている。

 ここから推測できるのは、音源それ自体の欠陥。製作者側に起因する問題よりも、リスナー側の環境によるもの。スピーカーやヘッドホン等出力機器それぞれが持っている個性というか味付けと音源との相性により、場合によっては違和感をおぼえる。あるいはMP3やAAC等の圧縮音源に変換する際の設定によって生じる問題なのでは。
 楽曲製作者やサウンドエンジニアに起因する問題、送り手に瑕疵があったというより、リスナーの方に起因する問題だったのでは。

 あるいはアルバムのミックスダウン、マスタリングを担当したエンジニアの「このアルバムを購入するリスナーの多くは、きっとこれこれこういった方向性の音を好み、そのためのリスニング環境を作っているに違いない」と想定して仕上げた音と、実際にアルバムを購入したリスナーの好みの音と、それを聴くために作った環境との齟齬から発生したものでは。
 そう自分なりの憶測をもって、今回の雑文を終わりにしようと思うが、以下追記として。

 『e′tuis』のクレジットを見ると、発売元こそキングレコード。かつては演歌やアニメソングの老舗として、今ではAKB48関連で有名なレコード会社。
 発売元こそキングレコードとクレジットされているものの、実際の製作にあたっているのはレコーディング、ミックスダウンをキング関口台スタジオ、ホワイトベース・スタジオ、2467スタジオ等々場所も、そしてエンジニアも多岐にわたり。
 そして、異なるスタジオやエンジニアによってレコーディング、ミックスダウンされた楽曲は。サイデラ・マスタリング・スタジオで森崎雅人の手によりマスタリング作業が施されていることが判り。

 自分を含めて、少しだけ物事に詳しい気持ちになっている半可通は。CDジャケットに表記されている会社名を見て「このレーベルの音はどれも海苔波形だからなあ」等としたり顔で、物事の道理が判っているかのように語りたがるものだが。
 そういった中途半端な知識からくる先入観と決め付けこそが、物事の判断を間違ったものにし。ひいてはこれから有りうる新しい素晴らしいものとの出会いを阻害するだけだと。
 改めて、自戒をこめて思った次第。