七五三のお参りに

20141120

 子供の初めての七五三参りに行ってきた。

 「そんなカビの生えた未開人の風習なんてファック!そもそも子供だって、それどころか親の方だって意味も目的も判らず、ただ惰性でやっているだけの形骸化された習慣、いつまでも引きずったままだから日本はいつまで経っても後進国のままなんだ!そんな無学文盲の未開人どもが権力や権威の言うがまま踊らされるがままでいるから政治は変わらないんだ!この国はいつまでたっても世界の笑いものなんだ」。
 そう考える進歩的な方々も入らせらるかもしれないが。

 ふりかえれば、自らの思想信条を固持し子供にも強制す。その立ち振る舞いこそ自身が子供の頃には嫌だと感じていた。「自分はこんな大人にはなりたくない」と思っていた筈の振る舞いだったのではないか。
 そしていつしか子供が大きくなり、大人と同じ視点でものを見、対等にものを言える立場になった時に。
 「なにテメーの都合でなんでもかんでも勝手に決めたり無かったことにしてるんだよ!」「子供にとって大人は絶対的な存在であると、子供を意のままに出来ると、子は親の意思を全て受容すべきだと手前のエゴを押し付けて、それが当然なのである。それが摂理なのである。そんな御高説をたたく気高いご立派な大人なんだな。テメーは!」「子供は親の言う事を聞くものだなんて御託をいうんだったら。そんなに精良秀抜な大人だったら、口先だけでなく行動でも示してきたんだろうな!」「子供たちに美田は残さなくとも、本人の努力次第で努力に見合ったものが得られる。そんな見通しの明るい世界を、廉直な思想と大人らしい実行力でもって、胸を張って誇れる未来をテメーは作れてきたんだろうな!」。

 と、ぐうの音も出ない言葉でもって憎まれ口を叩かれないように。せめて昔から脈々と続いている慣習、かつて自分自身が親から施してもらった。あるいは出来ることなら親にしてほしかったことなど至極真っ当なことを。
 出来るだけ子供にしてあげたいと思う。