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初心忘るべからず

 今年の初めに購入したオリンパスのOM-D E-M1 Mark II。
 同社の旗艦にあたる本機種には勿論、オリンパス製のデジタルカメラほぼ全てにもれなく付いている機能「アートフィルター」。
 1959年に発売され一世を風靡したハーフサイズカメラ「ペン」のデジタルモデル、E-Pシリーズの第一号機として2009年に発売された、ペン E-P1。発表当時は非常に女子受けが良かったのを記憶しているが、そのキャッチーな見た目やコンパクトな美点に加え、同機にも実装されていたアートフィルター機能も女子人気を後押しした要因のひとつなのでは、そう憶測し。昨今インスタグラムを飾る写真を見ていても当て推量はそこまでピントはずれでもない、そう感じているアートフィルター。
 くどくど言葉を並べたてるより実際に見ていただいたほうが分かりやすい。

 自前のOM-D E-M1 Mark IIで撮った写真。

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 様々な種類があるアートフィルターの中の「ヴィンテージ」を上の写真に使ってみると。

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 このように写真が加工される。

 と、こんな具合に。これ以外にも様々なアートフィルターを使うことによって思いもよらぬ雰囲気に写真が変化し、オリンパスのデジタルカメラを初めて購入した頃には物珍しさもあって、撮った写真撮った写真手当たり次第に加工していたものが。
 やがて、数を重ねていくごと機材を更新していくごとアートフィルターを使って得られる変化より、レンズを変え撮影条件を工夫して写真を撮ることに傾倒してゆき、アートフィルターの使用頻度も激減するのだが。

 やはり初めてデジタルカメラを購入したとき、アートフィルター機能を初めて試したときの新鮮な気持ちを忘れたくはなく。銀塩の頃より腕を磨き続けている撮り天狗の先輩方においては邪道の下魚でしかなかろうが、原初の喜びを忘れないようアートフィルターも積極的に使ってゆく。

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電子の眷属にあらず

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 漫画家新谷かおるが、カメラを題材に描いた短編を集めた作品集『シリーズ1/1000sec.』。
 作品自体今から40年近く前に発表されたものなので、作中に登場するカメラメーカーの中には同業他社に吸収されたりカメラ事業をやめているメーカーがあったり、なによりデジタル化の波が押し寄せる遥か以前。写真が画像センサーからRAWやJPEG形式の画像に書き出されるのではなく、銀塩フィルムが写真の記録媒体であった。そんな時代に描かれた物語なので今の目でみれば理解するのに少々知識の必要な情報もあるもの。

 しかしながら本質は。
 カメラの前に広がる光学情報をレンズを通して静止した一枚の画像に変換する、カメラそのものの本質は銀塩フィルムから画像センサーに変わったとて枢要に違いはなく、本作で語られている内容も、細かなディテールにおいて現状と違いはあるもの物語の主点は現在と変わらず、今読んでも存分に面白いし作中人物の台詞に納得する箇所も多い。

 プロフェッショナルの現場においても、いやデジタルアナログに関してはスノッブ気取りの一言居士こそピントのずれたイメージを持っているかもしれないが、写真を生業とする現場の住人こそカメラのデジタル化に他の誰よりも速く反応し。
 フリーランスであれば手持ちのフィルムカメラを質にいれ頭金を作ってでも同業者に先んじデジタルカメラを入手し、確実に業界を席捲するデジタル化の潮流に遅れまいと前のめりに適応を図った結果。アマチュアの世界よりも職業写真の分野においてデジタルカメラが縄墨となり、追って趣味の世界でも徐々に普及浸透してゆき。蛇足ながらアマチュアの末席として自身もデジタルがスタンダードになったころカメラを趣味にするようになったのだが。

 例えその心臓にあたる機関が、フィルムからなる感光媒体から半導体製集積回路による撮像素子へと変わったとして、カメラそのものが電子の一門に転籍したわけは無い。今もその身は光学に属すものである。
 その程度は明言できる。