カテゴリー別アーカイブ: 雑感

ブリヂストン・モールトン

以前に記したように四輪のほうの所有車。マツダ・ロードスターNB型以外にも二輪のほうでGIANT製の「MR4 R」という折りたたみ機構の変わった自転車を所有しているのですが。
しかして実は同車を購入する際の候補として散散悩んだ自転車が一台ありまして、それがブリヂストン・モールトン。
ブリヂストンサイクル株式会社が英国のアレックス・モールトン・バイシクルズよりライセンスを得てアレックス・モールトン製第一世代、F型小径自転車を。現在のアルミ押し出し形成や溶接技術、タイヤの転がり抵抗軽減化など最新の技術で往年の傑作小径自転車をリプロダクトした製品。
ブリヂストン・モールトンとMR4 Rとを当時散散悩んだ末に結局後者を選択したもの。前者を選択しなかった未練は20年近く経た今なお燻り続け。
そして昨年趣味のお絵かきでモールトン自転車を小道具にかいたことがきっかけで、燻り続けていた未練の熾火が天を焦がす勢いになり。ここまで猛烈な劫火になってしまえばあとはもう思いを貫くほか無く。
とはいえもう生産自体は終了しているので正規販売という手段は無く、中古市場で良い出物を探し続け遂に購入と相成りました。
脇道にそれますが、現在の中古車市場。往年の国産スポーツカーのいくつかは程度によって新車時販売価格をはるか上回るどころか当時の数倍のプライスタグがつけられている現状があるのですが。二輪車も言うに及ばず、このブリヂストン・モールトンも発売当時価格の倍近い値段で購入したもの決して後悔はしておりません。
もしもあるならば後悔ではなく反省として、其の頃のわたしに「なぜブリヂストン・モールトンを選ばなかった」と、当時の自分自身の目利きの無さに意見したい。

しかるにさりとて紆余曲折を経て所有車となったブリヂストン・モールトン。
かねてよりの所有車であったロードスターの出自とも近しいものがあり、並べたときの相性が存外よい。

子供を持つということ

早いもので私自身の仕事においてもそして個人的な。主たる要因は脳梗塞から重度要介護状態になった父親と二年近く向き合い続けてきたこと。
個人においてはとても大きく重たく、しかして第三者においては通り一遍等の何処にでもあるありふれた些事小事を経験している間に、気がつけば子供も小学校を卒業し来年度からは中学生に。

そんな我が子を通して、折りに触れ反芻することがありまして。

富野由悠季。『機動戦士ガンダム』を代表作に様々なアニメーションに携わってきたトミノ監督こと富野由悠季監督の手掛けた膨大な作品群に関する資料を展示した『富野由悠季の世界』。

展覧会『富野由悠季の世界』開催時に記念イベントとして行われた公開対談。「富野由悠季×細田守 スペシャル対談 in 富山県美術館」にて対談中に富野監督が言われていた一節が強く印象に残り、事程左様に折に触れては反芻しております。

以下引用

「子育てというのは親育てでもあるということです。」
「子育てをされた方は自覚があると思いますが、今の自分がこういう仕事をしていられるのは息子や娘がいたからではないか。子供という口実があったからやっていたと言いながら、この子たちがいなかったらどうなっていただろうか。それはつまり、あなたたちが親になるために子供たちに教えられていたということです。これをおぼえておけば、死ぬまではなんとかなるんじゃないかと思えます。」

以上引用終わり

この言葉はなにも創作行為やアーティスト活動など高尚有徳な行いにのみ当てはまるわけでは無く。私自身も含めた市井の「その他大勢」の日々の営みにも十分即すると、父親の介護や家族をやしなう為の雑務に追われる中でも身に染み思いしった次第です。